安倍総理辞任 ~ビッグイベントに投資家はどう対応するべきか~
在任期間が歴代最長に達した安倍晋三首相が8月28日、辞任の意向を表明しました。厳しい仕事をやらせておいて勝手なことを言う輩も多いのですが、まずは「安倍総理、おつかれさまでした」と敬意を表したいと思います。
さて、9月半ばには新総理が決まるもようですが、投資家としては今回の変化をどう認識するべきか──実践的な見地で私見を述べます。
第3項 まとめ
1.実践のポイント
大切な資金を投じる株式投資・トレードを、自分自身でコントロールすることが肝心です。
そのためのポイントを、第2項のまとめとして箇条書きにします。
■自分自身の見通しや考え方を最優先する
~将来の株価を知っている人間は存在しない~
・外部の情報から“正解”を探そうとしない
・外部の情報を見るときは、必ず自分の答えをもった状態で
■戦略を整えてからポジションを取る
~自分の予測で自分自身の行動をコントロール~
・勝っても負けても必ず「対応」が必要
・苦しくなってから考えると他人の意見に翻弄されるだけ
■ちまたの言葉に注意
~あなた仕様の情報なんてどこにもない~
・「足元」「押し目」……あたりまえに使われる単語の意味を疑うべき
・あなたが考えたことが最強で最重要な“情報”
■売買損を「経費」にする
~市場は自分の都合を聞いてくれない~
・プロでも初心者でも、予測の的中率は50%前後
・負けトレードを短期間で終了させる
・負けトレードのヤラレ幅を最小に抑える
・できれば株数が少ないうちに見切って撤退
・波に乗れたら利を伸ばそうと努める
(小幅利食いが手堅いとは限らない)
大切なことを並べたら、重なるものがたくさん残りましたが、売買が「売り」と「買い」しかない意外なほど単純な行動だから、当然のことだと思います。
複雑に考えず、区切りよく行動するようにしてください。かるくイメージできるだけで、かなりラクになるでしょう。
2.常に「自分」を大切にする
前項で挙げたポイントでは、「自分」という言葉が何度も登場しています。
自分という枠の範囲、自分が行うべきシゴトを考えてみたいと思います。
幼稚園児に「これ、な~に?」と質問されたら、丁寧に答えるでしょう。
小学生や中学生に聞かれたら、自分で考えるように誘導しながら教えます。
高校生や大学生ならば、「君の考えは?」と質問で返したり、考えずに質問する姿勢をたしなめるのが理想的なオトナの態度かもしれません。
でも、株式市場では、りっぱなオトナが「どの銘柄が上がるの?」なんて質問をします。大切なカネがからむことで真剣ゆえに聞いてしまうので、ある意味、自然な態度でもあります。でも、それではカモになるだけ!
そんな姿勢になる心理を受け入れたうえで、ちょっとだけ抗って“自立”を意識するだけで、一気に上位1割の仲間入り──こう言っても、決して大げさではないと思います。